「マネジメント経験はありますか?」。転職エージェントとの面談や、キャリア系サービスのプロフィール登録で、この質問に答えに迷った社会人3年目は多いはずです。役職も部下もいないと、その経験をどう数えればいいのか、判断に迷う瞬間があります。会社の中だけでなく、社外の小さな企画やコミュニティ運営でも、目的を決めて人を巻き込む機会が増えてきたと感じています。役職を待つ前に、今の環境でマネジメント経験を積む方法を、新卒期から役職なしで練習してきた僕自身の経験から解説します。
役職がなくても、マネジメント経験は積み上がる
「マネジメント経験」と聞くと、部下の評価や人事の判断まで含む管理職の仕事を思い浮かべる方が多いはずです。ところが、マネジメントの本質は役職ではなく、目的を決め、役割を割り振り、進行を確認し、振り返って次に生かす一連の行動です。この行動は、役職がついていなくても、小さな企画の中で十分に練習できます。
社会人1〜2年目は、任された仕事を期日内に仕上げる実務力が評価の中心でした。3年目になると、後輩の指導や小さなプロジェクトの進行を任される場面が増えてきます。ここで実務力とは別の力を求められていると気づいたなら、それはマネジメント経験を積み始める合図です。役職が変わるのを待つ理由はありません。
マネジメント経験と管理職経験を分けて考える
管理職経験は、役職に紐づく肩書きです。一方でマネジメント経験は、目的と役割を言葉にし、進行を確認し、振り返る行動そのものを指します。この2つを分けて考えると、役職がない今の自分にも、練習できる範囲が具体的に見えてきます。
後輩の育成、社内の小さな改善提案、社外プロジェクトの進行役、コミュニティ運営での役割。目的と期限が決まっている取り組みなら、規模の大小を問わず、マネジメント経験の練習場になります。まずは自分が最後まで責任を持てる範囲を一つ選ぶところから始めます。
目的・役割・進行・振り返り。役職なしで回せる4ステップ
小さな企画を一つ選んだら、次の4ステップを自分の役割として担当します。
1.目的を一文にする
何のためにこの企画を行うのかを、関わる人全員が同じ言葉で言えるところまで一文に絞ります。目的があいまいなまま進めると、判断のたびに確認が発生し、進行が止まりやすくなります。
2.役割と期限を置く
誰が何を担当し、いつまでに終わらせるかを最初に決めます。役割が決まると、それぞれが自分の判断で動ける範囲が生まれます。任せるときは、目的と、判断に迷ったときの相談先までセットで伝えます。
3.途中で進行を確認する
最後まで放っておかず、途中で一度、目的からずれていないかを確認する時間を置きます。問題を指摘するためではなく、早い段階で軌道修正できる状態をつくるための確認です。
4.終わったら振り返る
目的に対してどこまで進んだか、うまくいった判断、次に変える行動の3つを短く言葉にします。振り返りは反省会ではなく、次の企画に使える型を見つける時間です。
一次体験:役職がなかった新卒期に、練習していたこと
僕は2021年、新卒でサイバーエージェントに入社しました。ABEMA LiveのiOSアプリ開発チームに配属された当初、僕には役職も肩書きもありませんでした。最初に任されたのは、自分が担当する範囲の機能を、期限までに仕上げることでした。
その中で意識していたのは、任された範囲でも、目的を自分の言葉で確認すること、関わる人への進行報告、終わったあとの振り返りだけは自分から行うことでした。役職がなくても、この3つは自分の判断で始められます。
今もCoeliaで、都内で毎週イベントを企画メンバーと一緒に運営しています。新しく関わってくれる仲間に、受付や進行、参加者への声かけといった役割を持ってもらう場面が多くあります。任せるときに意識しているのは、目的を先に伝え、期限を区切り、迷ったときの判断基準まで一緒に渡しておくことです。不安を先回りして減らし、次の行動が自然に生まれる状態を設計する。これは、開発の仕事で身につけた考え方が、そのままイベント運営にもつながっている部分です。
この4ステップに、決まった正解はありません。同じ役割でも、任せる相手や場面によって、目的の伝え方や進行確認の粒度は変わります。Coeliaの企画メンバーと一緒に運営する中で、今も試行錯誤しながら精度を上げている最中です。
今週から選べる、練習の場
練習の場は、会社の中と外のどちらにもあります。
- 社内:後輩の育成担当、小さな業務改善の提案、会議の進行役
- 社外:小さなプロジェクトの進行役、勉強会やイベントの企画・運営
- コミュニティ:Coeliaのようなイベント運営で、受付や進行、参加者への声かけといった小さな役割を担当する
どれも、目的と期限が決まっていれば練習の場になります。起業や独立まで見据えている方は、起業前に会社員の仕事で磨けるスキルの記事で、マネジメント力を含めた5つの力を確認できます。同じ社会人3年目の力の伸ばし方として、組織を創る力と仕組みを創る力の記事も、次のステップとして役立ちます。
今週の行動へ落とすチェックリスト
- 目的と期限が決まっている、小さな企画を一つ選ぶ
- 関わる人と、目的を一文で確認する
- 役割と期限を決め、判断に迷ったときの相談先まで伝える
- 企画の途中で一度、目的からずれていないかを確認する
- 終わったら、進んだこと・うまくいった判断・次に変えることを短く書く
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よくある質問
役職がなくてもマネジメント経験を積めますか?
積めます。小さな企画を一つ選び、目的、役割、進行、振り返りの4ステップを自分の担当として実行すると、役職を待たずに経験を積み上げられます。
マネジメント経験と管理職経験は違いますか?
違います。管理職経験は役職に紐づく肩書きです。マネジメント経験は、目的を決め、役割を割り振り、進行を確認し、振り返るという行動そのものを指すため、役職がなくても積み上げられます。
小さな企画は、具体的に何を選べばいいですか?
社内の後輩育成や小さな業務改善、社外プロジェクトの進行役、Coeliaのようなコミュニティ運営での役割など、目的と期限が決まっている取り組みが対象になります。まずは自分が最後まで責任を持てる範囲を一つ選びます。
振り返りでは何を書けばいいですか?
目的に対してどこまで進んだか、うまくいった判断、次に変える行動の3つを短く書きます。反省会にせず、次の企画に使える型を見つける時間として使います。
