社会人3年目のキャリアプランは、3年後に「誰に、どんな価値を届けている自分でいたいか」を一文で決め、身につける力・会う人・今月の成果物の3つへ逆算するとつくれます。役職や年収の数字ではなく、届けたい価値を先に決めると、毎月の行動の優先順位が変わります。
社会人3年目の「なんとなく」を、3年後から逆算する理由
仕事の基礎が身につき、任される範囲が広がってくる社会人3年目。「このままでいいのか」「もっと成長したいけれど、何から手をつければいいか分からない」。同じ状態にいる人は少なくありません。24歳前後は、ポテンシャルで見られてきた期間から、成果で見られる期間へ移り始める時期と言われることもあり、なんとなく仕事を続けるだけでは、次の3年の方向がぼやけたままになります。
AIの活用が当たり前になり、会社員を続けながら社外のプロジェクトや小さな事業を試せる環境も広がっている今、選べる行動の幅は以前より確実に増えています。だからこそ、選択肢を眺めるだけでなく、自分の3年後から逆算して今月の一歩を決める視点が必要になります。
キャリアプランの解説は、面接で聞かれる「3年後の自分は?」への回答例文として扱われることが多く、実際に何を逆算し、どこまで実行したかの一次体験までは書かれていない場合がほとんどです。この記事では、回答例文ではなく、3年後に創りたい価値から今月の行動まで、実際に使える逆算の型を紹介します。
3年後に創りたい価値を一文にする
キャリアプランは、役職や年収の数字から考え始めると、途中で行き詰まりやすくなります。先に決めるのは、3年後に「誰に、どんな価値を届けている自分でいたいか」です。役職は、その価値を届けた結果として後から付いてきます。
たとえば「担当領域の意思決定を任され、後輩が自分で動ける状態を創れている」「会社の仕事に加えて、小さな事業を一つ形にして継続している」「専門性を軸に、社外からも声がかかる状態になっている」。どれも肩書きの名前ではなく、誰に何を届けているかで言葉にしている点が共通しています。
一文にするときは、今の仕事の延長線上だけでなく、休日や社外で試したいことも含めて考えると、選択肢が本来の広さに戻ります。ここで決めた一文が、この先の3つの軸を選ぶ基準になります。
価値から逆算する3つの軸:身につける力・会う人・今月の成果物
3年後に創りたい価値が決まったら、そこに向けて、身につける力、会う人、今月の成果物の3つへ分けて逆算します。この3つは並行して進められるため、来月から同時に動かせます。
身につける力:価値を届けるために、今の仕事で伸ばす力を一つ選ぶ
3年後に届けたい価値から逆算すると、伸ばす力は自然に絞られます。相手の目的を聞くコミュニケーション力、価値を言葉にするセールス力、役割と期限を整えるマネジメント力、一度できたことを繰り返せる形に変える仕組み化の力。この4つのうち、届けたい価値に最も近い一つを、今の仕事の中で意識して使う機会を選びます。力の伸ばし方を12週間の行動計画に落とす方法で、具体的な進め方をまとめています。
会う人:一次情報を持つ実践者と、続けて話す機会を持つ
3年後に届けたい価値に近い場所を、すでに歩いている実践者と話す機会を先に確保します。会社の中の斜め上の人、社外の同年代、一歩先を歩く実践者。肩書きや正解を教えてもらう相手ではなく、一次情報を持ち、答えを押しつけずに話を聞いてくれる相手を選ぶと、対話の質が上がります。年に一度ではなく、3か月に一度など、続けて話せる関係を意図してつくります。
今月の成果物:価値の証拠になる、小さな完成物を一つ持つ
力を学ぶだけでは、3年後の価値は証明できません。企画書、提案書、業務の手順書、小さなイベントの運営、副業の最初の成果。会社の内外どちらでもいいので、今月中に完成させられる成果物を一つ選びます。会社員のまま独立や事業づくりも選択肢に入れたい場合は、退職を先に決めずに検証する7つのステップや起業前に会社員の仕事で磨けるスキルも、今月の成果物を選ぶ参考になります。
一次体験:24歳で「この会社でいいのか」と考えていた社会人3年目から、逆算をやり直してきた3年
僕は2021年、新卒でサイバーエージェントに入社し、ABEMA LiveのiOSアプリ開発を担当しました。ちょうど社会人3年目、24歳前後の時期に「この会社でいいのか」と本気で考えていた時期があります。振り返ると、ちょうどテックリードを任され始めたタイミングでもありました。
そのとき、いきなり会社を辞める決断はしませんでした。まず、フリーランスとして働く先輩や、事業を持つ実践者に会って話を聞き、自分が届けたい価値と、今の力の差を確かめることから始めました。25歳でフリーランスへ転向し、NOT A HOTELやカウシェなどの現場に直請け・エージェント経由で参画しながら、開発の力と、顧客とのやり取りの力を並行して磨きました。26歳のとき、株式会社Coeliaを設立しました。
会社員からフリーランス、フリーランスから法人設立まで、それぞれの3年で「届けたい価値」を先に決め、そこに必要な力、会う人、成果物を逆算してきました。今も、恵比寿での店舗づくりを進めながら、次の3年で届けたい価値を更新し続けています。完成した状態ではなく、今も途中の現在地として、この逆算の型を実践しています。
今月からできる4つの行動
- 3年後に「誰に、どんな価値を届けている自分でいたいか」を一文で書く
- その価値に最も近い力を一つ選び、今の仕事の中で使う場面を決める
- 一次情報を持つ実践者に会う予定を、今月中に一つ入れる
- 今月完成させる成果物を一つ選び、完了の状態を先に決める
4つとも、特別な環境や役職を必要としません。3年後の価値を一文にするところから、今月中に始められます。
よくある質問
社会人3年目のキャリアプランはどう作りますか?
3年後に「誰に、どんな価値を届けている自分でいたいか」を一文で決め、そこから身につける力、会う人、今月の成果物の3つへ逆算します。役職や年収の数字ではなく、届けたい価値を先に決めると、毎月の行動が具体的になります。
3年後の目標が思いつかない場合はどうすればいいですか?
今の仕事で最も手応えを感じた場面と、退屈だった場面を書き出すところから始めます。一次情報を持つ実践者に会って話を聞くと、届けたい価値の言葉が整理しやすくなります。
転職しないとキャリアプランは実現できませんか?
転職しなくても実現できます。社内で新しい役割を引き受ける、社外で小さな成果物を完成させる、実践者に相談するなど、今の会社を続けながら価値・力・人・成果物の4つを進められます。
キャリアプランは一度決めたら変えない方がいいですか?
変えて構いません。今月の成果物を完成させるたびに、届けたい価値の言葉と、必要な力・会う人を見直すと、逆算の精度が上がります。
24歳でキャリアプランを考えるのは早すぎますか?
早すぎません。24歳はポテンシャルで見られる期間から、実績で見られる期間へ移り始める時期と言われ、3年後の価値を先に決めておくほど、毎月の行動を選びやすくなります。
共通の型を、自分の3年へ変える
価値を一文にし、力・人・成果物へ逆算する型は、ここまでで一通り完結します。ここから先は、今の仕事、使える時間、今すでに持っている経験によって、選ぶ力も、会うべき人も、最初の成果物も変わります。
何を届けたいか、まだ言葉になっていない感覚のままで大丈夫です。話しながら輪郭がはっきりしていくものなので、今の段階で無理に一文へ仕上げる必要はありません。
