社会人3年目の視野を広げる方法|会社以外の実践者に話を聞く4ステップ
- 執筆
- 小幡十矛(株式会社Coelia 代表取締役)
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社会人3年目になると、仕事の進め方にも判断の基準にも慣れが出てきます。同時に、「この判断でいいのか」を確かめる相手が、いつの間にか同じ会社の人ばかりになっていないでしょうか。AI活用が当たり前になった2026年、知識や情報そのものはいつでもすぐ手に入るようになりました。だからこそ差がつくのは、情報の量ではなく、自分とは違う場所で働く人に直接会って、自分の前提を書き換えた経験の数です。元サイバーエージェントのエンジニアから、フリーランス、そしてCoelia代表になるまで、僕は節目ごとに会社の外の実践者に話を聞いてきました。視野は自然に広がるものではなく、意図して会いに行くことで広がります。
社会人3年目の視野は、なぜ会社の中だけで狭くなりやすいのか
1〜2年目は目の前の仕事を覚えることに集中します。3年目になると、仕事の進め方にも判断の基準にも慣れが出て、社内の常識で物事を考えるのが自然になります。相談する相手も、比較する相手も、いつの間にか同じ会社の人だけになっていきます。
これは意思が弱いからではありません。人は身近な集団の基準に判断を合わせやすいという、ごく自然な傾向を持っています。だからこそ、意図して会社の外に判断基準を求めに行くと、視野は着実に広がっていきます。
視野を広げるは、情報収集ではなく前提の更新
「視野を広げる」と聞くと、本を読む、ニュースを追う、資格を取るといった情報収集を思い浮かべる方が多いかもしれません。2026年のいま、こうした情報はAIに聞けば数秒で整理されて出てきます。情報を集めること自体は、もう差になりにくくなりました。
差になるのは、自分とは違う判断基準で生きている人に直接会い、「なぜその選択をしたのか」を聞き、自分の中にあった前提を一つ書き換える経験です。知識を増やすことと、前提を更新することは、似ているようで別の作業です。後者は、人に会うことで起こります。
会社以外の実践者に話を聞く4ステップ
1.今の判断基準を一つ書き出す
「転職はしないほうがいい」「独立はリスクが高い」など、普段あまり疑わずに使っている判断基準を一つ、紙に書き出します。この基準がどこから来たのか(会社の先輩、家族、なんとなくの空気)まで書けると、次のステップで聞くべきことが具体的になります。
2.違う仕事・生き方をしている実践者を一人選ぶ
選ぶ基準は、肩書きの大きさではなく、自分と判断基準が違う一次情報を持つ人です。会社員以外の働き方をしている人、違う業界にいる人、年齢や生き方の前提が自分と違う人。SNSのつながり、社外イベント、知人の紹介から一人を決めます。SNSのつながりも社外イベントの心当たりもない場合は、最初の1人として僕(とむ)に話を聞きに来るのも一つの選択肢です。
3.聞く質問を3つ用意する
初対面でも会話が続くように、質問を先に用意しておきます。「その選択をどう決めましたか」「最初の一歩は何だったか」「今、何を試していますか」の3つがあると、相手の一次情報を具体的に引き出せます。質問を用意しておくと、人見知りでも会話の主導権を相手に預けられます。
4.聞いた話で前提を更新し、今週の行動を一つ変える
話を聞いて終わりにせず、ステップ1で書いた判断基準を見直します。「本当にそうとは限らない」と思えたら、それが前提の更新です。最後に、今週中にできる小さな行動を一つ決めて、実際に動かします。
一次体験:会社の中だけの前提でいたら、今の僕はいない
2021年、新卒でサイバーエージェントに入社し、ABEMA LiveのiOSアプリ開発を担当しながらテックリードを経験しました。当時の僕にとって、キャリアの前提は「メガベンチャーで実績を積むこと」だけでした。その前提を書き換えたのは、社外で個人で仕事をしている人、会社を離れて事業をつくっている人に、実際に会って話を聞いたことです。
「知らないと始まらない、知ろうとしなければ始まらない」。これは僕の座右の銘です。相手の選択そのものより、その人が何を根拠に選んだのかを知りたい。その気持ちも後押しになって、25歳でフリーランスへ転向しました。NOT A HOTELやカウシェなど複数社に、直請けとエージェント経由の両方で参画し、会社員のときには見えなかった仕事の作り方を、自分の一次情報として持てるようになりました。
26歳で株式会社Coeliaを設立してからも、この動きは続いています。都内で毎週、月8回以上のイベントを開いている中で、エンジニア、営業職、フリーランスなど、普段の生活では出会わない実践者と話す機会が生まれています。誰かの前提を聞くたびに、自分の中の「当たり前」を一つずつ確かめ直しています。この現在地も完成形ではなく、今も更新の途中です。
今週から実践するチェックリスト
- 普段疑わずに使っている判断基準を一つ書き出す
- 自分と判断基準が違う実践者を一人思い浮かべる
- 聞く質問を3つ、紙かメモアプリに用意する
- その人に話を聞く時間を一つ、今週中に予定へ入れる
- 聞いた話で前提が変わったかを、一行でいいので記録する
誰に聞けばよいか迷う方は、実践者への相談相手の選び方と実践者へ聞く質問リストも参考にできます。
共通の型を、自分の一歩へ変える
判断基準を書き出し、実践者を選び、質問を用意し、行動を変える。ここまでの4ステップは、誰にでも当てはまる共通の型です。ここから先、誰に会うか、何を疑いたいか、どの前提から更新したいかは、一人ひとり違います。
視野を広げた先に、今の仕事のまま次の成果を創りたい人もいれば、独立や起業を選択肢に入れたい人もいます。次の成果を創る5ステップや会社員のまま試す独立の7ステップも、あわせて次の行動を具体化できます。
よくある質問
社会人3年目が視野を広げるには何をすればよいですか?
会社の外で違う仕事・生き方をしている実践者を一人選び、判断基準や始め方を直接聞きます。聞いた話で自分の前提を一つ更新し、今週の行動に一つ反映するところまでが、視野を広げる一連の動きです。
人見知りでも実践者に話を聞きに行けますか?
行けます。僕自身も社交的な性格だったわけではありませんが、聞く質問を先に3つ用意しておくと、会話の主導権を相手に預けられるので、初対面でも自然に話が進みます。
話を聞く相手はどこで見つければよいですか?
SNSのつながり、社外イベント、知人の紹介から始められます。共通点の多い人より、判断基準が自分と違う人を選ぶほうが、前提を更新しやすくなります。
視野を広げることと転職はセットで考えるべきですか?
セットにする必要はありません。今の仕事を続けながら前提を更新し、今週の小さな行動を変えるだけでも、選べる選択肢は自然に増えていきます。