本とノートを机に広げ、気づきを書き留める20代の会社員と「目的の見つけ方」の文字

「将来何がしたいの?」。飲み会や1on1でそう聞かれるたびに、うまく言葉にできない自分がいる。社会人3年目、24歳前後でこの感覚を持つ人は少なくありません。手帳やノートに目標を書き出してみても、机の上で考えているだけでは、言葉はどこか借り物のままです。人生の目的や目標は、頭の中だけで見つかるものではなく、人と本から知らなかった選択肢を知り、実際に小さく試した行動への反応から、少しずつ自分の言葉になっていきます。

目的や目標は、机に向かって考えるほど遠ざかる

2026年、検索すれば「人生の目的の見つけ方」を紹介する記事が何十件も出てきます。生成AIに聞けば、自己分析のステップも一瞬で教えてくれます。情報を集めること自体は、以前よりずっと簡単になりました。

ただし、情報を集める作業と、目的を自分の言葉にする作業は別物です。一般論をいくら読んでも、頭の中で考えているだけでは、目的は借り物のままです。目的は、知らなかった選択肢に実際に触れ、自分の体でその選択肢を試したときに返ってくる反応から生まれます。

選択肢を広げる二つの入口――人に会うことと、本を読むこと

僕の座右の銘に「知らないと始まらない、知ろうとしなければ始まらない」という言葉があります。目的や目標を言葉にする力は、知っている選択肢の量に比例します。知る方法は、大きく二つに分けられます。

人に会う――自分では思いつかない生き方を知る

自分と違う道を歩んできた人に会って話を聞くと、これまで考えたこともなかった選択肢を知ることができます。会社員のまま独立した人、転職を重ねてきた人、副業からキャリアを広げた人。それぞれの判断基準を聞くと、自分の当たり前が一つの選択肢にすぎなかったと気づきます。

大切なのは、成功談を聞いてうらやむことではなく、相手が何を優先し、何を選ばなかったのかという判断の理由まで聞くことです。

本を読む――時代や場所を超えた選択肢を知る

人に会う機会をすぐに作れないときは、本が同じ役割を果たします。時代や場所を超えた選択肢を、まとまった形で知ることができます。

一冊を読み切ることよりも、読みながら「これは自分にもできそうか」「これは違うか」と自分の反応を確かめる読み方の方が、目的を言葉にする作業には役立ちます。

小さく試した行動の反応から、目的は言葉になる

選択肢を知っただけでは、目的は言葉になりません。次の一歩は、知った選択肢のうち一つを、小さく試すことです。試すというのは、転職や起業のような大きな決断である必要はありません。興味を持った分野の勉強会に一度参加する、気になる働き方をしている人に話を聞きに行く、休日に小さな企画を一つ動かしてみる。規模はどれも小さくて構いません。

小さく試すと、多くの場合、反応が返ってきます。思ったより楽しかった、続けたいと思った、逆に想像と違って気が乗らなかった。この反応こそが、目的を言葉にするための材料です。人は、考えてから行動するというより、行動した自分を振り返ることで、自分が何を大切にしているかに気づいていきます。

一次体験――「この会社でいいのか」から、言葉になるまでの道のり

僕自身、真剣に仕事に向き合いながらも、「この会社でいいのか」と思っていた時期があります。新卒でサイバーエージェントに入社し、ABEMA LiveのiOSアプリ開発とテックリードを任せてもらっていたころです。

そのときの自分に、答えは頭の中にありませんでした。会社の外で働いている人に話を聞き、本を読んで知らなかった働き方を知り、少しずつ自分にも試せそうな選択肢を集めました。その中で試した一つが、25歳のフリーランス転向でした。直請けやエージェント経由で複数の現場に関わりながら、働き方に対する自分の反応を確かめ続けました。

その先で言葉になった目的が、26歳で立ち上げた株式会社Coeliaです。今は都内で毎週イベントを開いています。そこで、出会った人が自分の目的や目標を言葉にする瞬間に立ち会うこともあります。この現在地は完成形ではありません。今も人と本から選択肢を知り、小さく試しながら、次に検証したいことを更新し続けています。

今週からできる3つの実践ステップ

  1. 会社の外で違う選択をした人に一人会い、判断の理由を聞く
  2. 気になっていた分野の本を一冊選び、読みながら「自分にもできそうか」を確かめる
  3. 知った選択肢のうち一つを、今週中に小さく試して反応を記録する

3つとも、大きな決断や特別な環境を必要としません。今の生活の中で、今週から始められます。

よくある質問

人生の目的は一度決めたら変えてはいけないものですか?

変えて構いません。目的は一度で完成させるものではなく、知った選択肢と試した行動の反応に合わせて、言葉を更新し続けるものです。

会いに行く相手をどう選べばよいですか?

身近な範囲で十分です。今の仕事とは違う働き方をしている知人や、参加したいイベントで出会う人など、判断の理由を聞ける相手を一人思い浮かべるところから始められます。

小さく試す行動はどう選べばよいですか?

大きな決断は必要ありません。気になる分野の勉強会に一度参加する、興味のある人に話を聞きに行く、休日に小さな企画を一つ動かしてみるなど、今週中にできる範囲から選べます。

目的が言葉になる前に行動しても大丈夫ですか?

大丈夫です。目的が先に見つかってから動く人だけでなく、行動した反応から目的が後から言葉になる人も多くいます。まず知って、小さく試すところから始められます。

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