提案資料を作り込んでも、会議で筋の通った意見を出しても、なぜか相手の反応が薄い。そんな手応えのなさに覚えのある社会人3年目は多いはずです。セールス力もコミュニケーション力も、話し方のテクニックだと捉えていると、いつまでも借り物のスキルのままです。僕はフリーランスとして直請け営業をした経験と、Coeliaで毎週初対面の人と関係を作り続けている経験から、この2つを同時に伸ばす方法にたどり着きました。
営業や対人折衝で伸び悩む理由は、話す前にある
営業も社内でのやり取りも、うまくいかないときほど、話し方や言葉選びを直したくなります。ところが、伸び悩みの原因は話す内容より前の段階、つまり相手の話を聞く順番にあることが多いです。
断られるのを避けたい気持ちが強いと、つい自分の説明から始めてしまいます。結果として、相手が求めていることとずれた提案を、丁寧な言葉で届けることになります。合意形成の場でも同じで、結論を先に出すほど、相手は自分の考えを言いにくくなります。
営業の定義を変えると、伸ばし方が変わる
僕は営業を「相手が求めているものを、価値として届けること」だと考えています。売り込みではなく、相手の課題や願望を先に理解し、そこに合うものを差し出す行為です。この定義に立つと、営業力とコミュニケーション力は別々のスキルではなく、同じ土台の上にあることが見えてきます。
「知らないと始まらない、知ろうとしなければ始まらない」が僕の行動原理です。相手を知ろうとする姿勢から始めると、提案も社内調整も、押し付けではなく対話になります。
フリーランスの直請け営業で気づいたこと
25歳でフリーランスに転向し、NOT A HOTELやカウシェなど複数社に、直請けとエージェント経由の両方で参画しました。直請け営業では、相手が今どんな課題を抱えているかを自分で聞きに行くところから始まります。
説明を尽くすことより、相手の状況を聞き切ることを優先するようにしてから、提案が的を外しにくくなったという実感があります。断られたときに理由を一つ具体的に聞く習慣も、次の提案の精度を上げてくれました。
Coeliaで毎週初対面の人と関係を作り続けている現在地
Coeliaは都内で毎週、月8回以上のイベントを開催しています。初参加の人が多い場では、営業と同じ構造の難しさがあります。相手が何を求めて来ているかを知らないまま話しかけると、会話が続きません。
はじめましてカードや話題サイコロなど、初対面でも会話の糸口を作れる仕組みを取り入れていますが、これで完成とは考えていません。参加者が自然に話し始めるきっかけを、今も毎週少しずつ試しては直しています。合意形成も同じで、一度うまくいった型をそのまま繰り返すのではなく、目の前の相手に合わせて調整し続ける姿勢が、人との関わり方の力になっています。
明日から使える3つの実践
特別な才能ではなく、繰り返した行動の積み重ねです。営業でも社内でのやり取りでも、次の3つから始められます。
- 提案や意見を伝える前に、相手の言葉で課題を要約して確認する
- 断られたり反対されたりしたときは、理由を一つだけ具体的に聞く
- 結論を急がず、相手やチームが何を求めているかを先に確認する
僕の実感では、これらを続けると、セールス力と呼ばれるものも、社内で信頼される対人折衝の力も、同じペースで伸びていきます。
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よくある質問
セールス力とコミュニケーション力は同じものですか?
重なる部分が大きいです。相手が求めているものを聞き、価値として届ける力という軸で見ると、営業もチーム内の対人折衝も同じ土台の上にあります。話し方の技術より、先に聞く姿勢が土台になります。
人見知りでも営業や対人折衝は上達しますか?
上達します。僕自身も特別に社交的な性格だったわけではなく、フリーランスの直請け営業やCoeliaの毎週のイベント運営を通じて、相手の話を聞く行動を繰り返す中で身につけました。性格より行動の反復が効きます。
社内の合意形成にもこの考え方は使えますか?
使えます。社内の会議や交渉でも、自分の結論を先に伝える前に、相手やチームが何を求めているかを一度言葉で確認すると、話が通りやすくなります。営業とチーム内の合意形成は、同じ土台でつながっています。