AI面接とは

面接の相手がAIに変わって、身構える20代は少なくない

就職活動や転職活動で、面接の相手が急にカメラとAIに変わった経験を持つ人は少なくありません。画面の向こうにうなずきも相槌もないまま話し続けるのは、想像以上に落ち着かないものです。「今の答え方で良かったのか」「AIは結局何を見ているのか」と、手応えがつかめないまま選考が進んでいく。Coeliaで20代と1:1で話していても、この戸惑いを口にする人に何度も出会ってきました。

この戸惑いの正体は、AI面接という仕組みを外側からしか見ていないことにあります。僕はAIを駆使して日々ものづくりをするエンジニアとして、この仕組みを内側から見てきました。内側から知れば、身構える必要はなくなります。AI面接は得体の知れないブラックボックスではなく、決められた基準に沿って情報を拾う仕組みだからです。

AI面接には3つのタイプがある

ひとくちにAI面接と言っても、仕組みは1つではありません。求人や選考ステップによって、次の3つのどれかに当てはまります。

  • 録画型AI面接:決められた質問に対して、指定の期間内に自分の都合の良い時間と場所で回答を録画し、提出する形式です。AIは映像から表情や視線を、音声から発言内容や声のトーン、話す速度を読み取ります。
  • 対話型AI面接:チャットボットやAIアバターを相手に、リアルタイムで質問と回答をやり取りする形式です。人と話す面接に近いテンポで進みます。
  • AI面接練習ツール:本番の選考ではなく、自分の回答を録画して表情や話し方を確認するための練習用サービスです。無料で使えるものも増えています。

まず自分が向き合っているのがどのタイプかを見極めると、対策の的が絞れます。

AIは面接で何を見ているのか、使う側から見える仕組み

僕はサイバーエージェントに新卒入社し、ABEMA LiveのiOSアプリ開発を担当してテックリードも経験しました。いまはClaude Codeをフル活用して、チームで自社サービスを設計・開発・運用しています。AIを使ってサービスをつくる側、そして使い倒す側の両方に立ってきた実感から言えるのは、AI面接は思われているほど得体の知れない仕組みではないということです。

労働政策研究・研修機構(JILPT)が2026年1・2月号で紹介した国内のAI面接サービスの取材記事では、社内の採用基準を統一した「構造化面接」という技法を採用し、約4万件の面接データを機械学習させた評価AIで、応募者の「状況」「課題」「行動」「結果」を聞き取る設計になっていると紹介されていました。

約4万件の面接データを学習した評価AIが、「状況・課題・行動・結果」を聞き取るよう設計されている。

つまりこの事例のように、多くのAI面接は、話し方の勢いや雰囲気だけでなく、その回答がどんな状況で、どう行動し、どんな結果につながったかを筋道立てて語れているかを見ています。評価AIは、あらかじめ決めた観点ごとに回答を点数化する仕組みです。だから、質問にまっすぐ答えているか、話に一貫性があるかといった具体性が、そのまま評価に乗ります。人が経験と勘で見ている部分を、AIは決められた質問設計とスコアリング基準に置き換えているだけです。仕組みが分かれば、AI面接はむやみに身構える相手ではなくなります。

付け焼き刃ではなく、自分の言葉で話せる状態をつくる

AIが状況と行動と結果のつながりを見ているなら、対策の中心も自然と決まります。想定質問の模範解答を覚え込むことではなく、自分が経験した出来事を、状況、行動、結果の順で語れる状態にしておくことです。

ここで気をつけたいのが、AIに最適化しすぎないことです。キーワードを詰め込んだ話し方や感情のない棒読みの回答は、AIにも人にも刺さりません。AIを使い倒す側から見ると、自然な言葉の中にある具体性こそが、AIにも人にも伝わりやすい情報だと分かります。付け焼き刃のテンプレートより、自分の経験を何度か声に出して話す練習の方が、結果として近道になります。

学んだことを本番でそのまま使える状態に変える視点は、AI面接の対策にも共通します。AIを学んだのに実務で使えない理由、実装まで橋渡しする3ステップで紹介した「使う場面を一つに絞る」考え方は、面接の練習にもそのまま応用できます。

AIに評価される時代に、20代のキャリアをどう考えるか

AI面接は、AIが人のキャリアに関わる場面の一つに過ぎません。書類選考でも配属でも評価でも、AIが判断に関わる領域はこれからも広がっていきます。だからこそ大事なのは、AIに評価される瞬間だけを取り繕うことではなく、AIが読み取りやすい形、つまり具体的な経験と行動を、日頃から自分の言葉で持っておくことです。

この考え方は面接だけでなく、AI時代のキャリア全体にもつながります。社会人3年目のキャリアプラン、3年後から逆算する4つの軸でも書いたように、目先の評価だけを追うより、自分の経験を積み上げて自分の言葉にしていくことが、面接の場でもそのまま強みになります。

一人で仕組みを理解しようとすると、情報収集だけで止まりがちです。20代のキャリア相談は誰にする、相手選びの3基準と5つの相談先で書いたように、一次情報を持つ人に話を聞く方が、遠回りに見えて近道になります。

よくある質問

AI面接とは何ですか?

AI面接とは、採用選考の面接をAIが担う仕組みの総称です。あらかじめ決めた質問に動画で回答する録画型、AIとリアルタイムで会話する対話型、選考ではなく練習に使うAI面接練習ツールの3つに分かれます。AIは発言内容や話し方の具体性を分析して評価します。

AI面接では何を評価されますか?

表情や声のトーンといった見た目の情報だけでなく、回答の中身がどれだけ具体的かが見られています。どんな状況で、何を考えて行動し、どんな結果につながったかを筋道立てて話せているかが、評価の中心になります。

AI面接の対策はどうすればいいですか?

想定質問の模範解答を覚え込むことより、自分が経験した出来事を状況、行動、結果の順で話せる状態をつくることが対策の中心です。AIに最適化した話し方より、自分の言葉で具体的に話せる状態の方が、結果として、面接官にもAIにも伝わりやすくなります。

AIに評価される時代に20代はどうキャリアを考えればいいですか?

AIが判断に関わる場面はこれからも広がっていきます。だからこそ、AIに評価される瞬間だけを取り繕うより、日頃から自分の経験と行動を自分の言葉で持っておくことが大切です。一人で抱え込まず、一次情報を持つ人に話を聞くことも近道になります。

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